この記事は、ETを発見した当日の様子をまとめたお話です。
プロローグ
「先生ー!みく倒れた、やばい!!」
学校のグラウンドに焦った声が響き渡る。
人が集まる音、誰かの怒鳴り声、セミの声。
20年以上経った今でもよく覚えています。
それは私が16歳の夏、とても暑い日でした。
当時私は高校生、練習が厳しい運動部に所属していました。
その日も夏休みという事で朝から練習三昧。
長時間真夏のグラウンドで動き回っていました。
1年生だったのでゆっくり休む時間はほぼありません。
昔は水分補給をする時間を頻繁にとる重要性も今ほど指導されていませんでした。
熱中症のお膳立てとしてはバッチリな日(笑)
それなのに、暑さで死にそうなものの先輩が怖くて何も言えない、みたいな。
体育会系あるある。
その日、特に私は体調不良で常に頭痛がしていました。
「今日はやばいなぁ、なんか吐きそう…でもまだ我慢できるかも…?」
これも高校部活の洗礼だ!なんて事を考えながら自分に酔っていました。
今思うと、なんて馬鹿な…((+_+))
案の定そんな我慢を重ねた結果、刻一刻と運命の瞬間がせまります。
そう、冒頭のとおり倒れてしまいました。
当時の状況
倒れた時は20年以上前の事ですがよく覚えていて、周りのパニックに反して自分自身はとても冷静でした。
強い頭痛と吐き気があったにも関わらず、あぁなんかヤバいやつ?と呑気に考えていました。
体温が以上に高かったので熱中症を疑われ、自分では動けなかったので日陰に担がれる私。
取り敢えず冷やせ!とホースで全身に水をかける誰か。
衣服を緩めようとする女の先生。
熱中症の対応としてはきっと正解です。
全身に水をぶっかけられ続けてビッチャビチャでしたが(笑)
容赦なさすぎワロタ
倒れているくせに余裕な自分
本当に、本人より周りの方が慌てふためいていた思い出です。
これは余談ですが、その日私はスポーツブラを着用していました。
なので先生がブラジャーのホックを外そうとした時、ホックが無い!とパニックになっていました。
冷静なら全く焦る状況では無いのですが、緊急時、在る筈の物が無いという事は先生をパニくらせるには十分だった様で…
先生落ち着いてーwと応援していました(笑)
救急車が来る前に気を失った様でそれ以降の記憶はありません。
次に目が覚めた時は病院のベットの上でした。
病院での診断
不幸中の幸いというか、搬送されたのは学校から割と近い大学病院。
その時の処置やら検査は覚えていませんが血液検査をしたらしく、血小板が異常に多い事が判明しました。
普通の人は40万くらいのところ当時150万。
その数字を聞いた時は「へー、すごーい」くらいしか思いはなかったです、何も知らなかったので。
血がすぐ止まるってことじゃん、便利じゃね?
ところが医師は、これは大変!みたいな顔をしてた様な…すぐに血液内科という聞きなれない場所へ回されました。
もちろん親もすぐ呼び出され、専門の医師により診察が始ります。
そして医師から聞かされたのは…
血液検査の結果だけでは断定できませんが、ほぼ間違いなく本態性血小板血症という病気です。
これから詳しく検査をしていきましょう。
これは遺伝子の病気で、治るものではありません。
え、私どうなるの??
さっきとは一転、急展開すぎて意味がわからず自分がこれから一体どうなるのか?
目の前が真っ暗になっていました。
遺伝子の病気って、治らないって何??
突然の事過ぎて気持ちが全く追いついてきません。
それでも自分は病気で、治療をしなければ生きていけないという事はぼんやりと理解しました。
この日から長い長い闘病生活が始ります。
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